当てにならない映画メモ

つまらない?見方を変えれば面白い

何者

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過労死の問題を考えると彼らの未来はとても残酷に思いました。

下手な恋愛的な展開がなく予告に反した秀作だったかなと思います。

ただ、若手俳優達による演技バトルが見れる舞台ような映画を期待していたがわりと普通のドラマだったのと、山田孝之にはもっと苦労人で同年代として再出発を応援したくなるような役をやってもらいたかったと思いました。

映画の感想からは逸れますが、おそらく今の社会ってただ勉強できてもダメな能力主義の時代です。学歴だけじゃ生き残れないシビアな競争社会です。能力主義ってクリエイティブな半面、無能力な人を判別し、役立たずの烙印を押す装置なような気がしてしまいます。そう考えると、就活で自己否定感に悩まされて自殺する人の気持ちが想像できます。そういう空気の中で弱いものがさらに弱いものを叩く考えが育まれ、相模原を始めとする施設での暴行が後を絶たないのかなと思います。

同年代のSNSを見ると、上司になり始める年頃なのか、役に立たない新人が入ってきたとか見かけることが増えてきて、少しがっかりします。役に立つ人の定義が会社にとって都合の良い人に変わりつつある雰囲気を感じます。

僕だけかもしれませんが、そういう視点で観るとかなり社会派ドラマだと思います。