駆込み女と駆け出し男
駆け込み寺の人間模様を描いた話です。「わが母の記」の原田眞人監督ということで期待してみたのですが、離婚調停のケースが多すぎて、一人一人の人物説明が追い付いていっていない忙しい映画でした。原作のエピソードを二時間に全て押し込んでないか?
この忙しさを人々の活気としてとらえれば心温まります。感情も高まります。
狂言回し的なキャラクター(大泉洋)が主役で、終始面白い台詞連発しているので、鬱陶しい上に話の筋が掴めなくなる落とし穴があるように思いました。大泉洋は色んなキャラを使い分けられる俳優なのだから、浮き沈みのメリハリを付けて深みのある主役をやらせてあげれば良かったのになと思いました。
主役級の俳優が多すぎて、存在感を消し合う結果に。。駆け込み女は、満島ひかりと戸田恵梨香だけで良くて、その顛末を大泉洋と樹木希林の掛け合いで語らせてくれるだけでも見応えはあったはず。「わが母の記」の樹木希林の認知症の演技は本当に素晴らしかったです。その演技力を引き出せる原田眞人監督だっただけに少し期待外れでした。