当てにならない映画メモ

つまらない?見方を変えれば面白い

スポットライト 世紀のスクープ

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これまで観た洋画のマイベストテンに食い込む大傑作でした。少数の取材班が巨大な権力の闇に立ち向かっていく姿に目頭が熱くなりました。一部の日本のマスコミの報道に呆れてしまうのは社会問題を解決に導こうとする意志を全く感じないからです。敵意を煽ったり、弱者を憐れむ記事よりも問題解決するための力を養う記事を掲載してほしいものです。予告編は映画のイメージが台無しに。。

 

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教会の不祥事を追及する中で同時多発テロが起き、揺らぐはずがないと信じていた平和や信仰が崩れて取材班が精神的に追い詰められていく描写をドライに表現しているのがいいですね。感情の爆発を歯を食いしばって抑え込んでるので妙に日本的なものを感じました。同僚とラブシーンに突入するありきたりの展開が無いというのも良い。脚本の筆が進まないからといって安易に恋愛要素を入れると一気にチープになる映画は意外に多いです。

几帳面な人物の部屋があるシーンを境に散らかり始めるといった習慣の変化で精神に与えた影響の度合いを示すというテクニックを使うあまり、演技から生まれる説得力をあまり感じないのが演技部門の賞を取り損ねた理由なのかもしれません。

といっても、マーク・ラファロの知的でフレンドリーで話の分かりそうな雰囲気は凡人には出せません。あれは凄まじくモテると思う。