当てにならない映画メモ

つまらない?見方を変えれば面白い

はじまりへの旅

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単純明快なハリウッド映画かと思いきや、過激な資本主義批判発言連発で挙句の果てにトロツキズム支持を匂わす発言があり、トランプ支持者が観たら怒り狂うであろう内容でした。共産主義に理想を抱く人は身内や隣人から煙たがられ、ヒッピー扱いされ森の中で暮らすことになってしまうほど肩身が狭いというのはアメリカ国内においては事実かと思います。言論の自由が許されないアメリカは本当に自由の国と言えるのか疑問が湧いてきました。

森に棲む父と子供たちが亡くなった妻の葬式に参列するために街に出ていくわけですが、妻が望んでいた火葬ではなく他の身内が希望する土葬になっていたことから、森家族と妻の親族との対立が深まっていきます。子供たちも街の文化に触れることで親の教育方針に疑問を持つようになっていきます。このように宗教の自由や子供の権利の問題にも触れています。アメリカはあまり日本と変わらないなと思いました。

葛藤や対立をうまく描いており、感情の揺れ動きの表現はハリウッド映画お馴染みのテクニックなのですが、アメリカでこういった内容の映画の企画が通ったことに驚きです。案の定、アメリカ国内では賛否両論が巻き起こりましたが、権利意識の高いヨーロッパ諸国では評価が高くカンヌ映画祭で賞を獲っています。