当てにならない映画メモ

つまらない?見方を変えれば面白い

聖の青春

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ありきたりの感動を誘う難病ものかと思いきやなかなか屈折してました。命を張らずに将棋を指す健康体である棋士たちに対する怒りを態度に出すために仲間が離れ孤立していき、羽生打倒に向けて命を削りながら自分を追い込んでいくんですが、その緊張感がまるで極道映画や任侠映画のようでした。最後の試合は決闘にしか見えません。主人公の心の支えになるような恋人も全く出てこない、孤高の青春といったところです。予告編の雰囲気とはかなり違いましたね。将棋を極めるわけだから、ある意味では極道なんですけどね。

松山ケンイチの大増量した役作りは「レイジング・ブル」のロバート・デ・ニーロを彷彿とさせ、羽生善治の常人離れした間の抜けた雰囲気を東出昌大がうまく演じ、染谷将太が脇を固めています。若手演技派俳優の熱意を堪能しました。