きみはいい子
特別支援学級(特殊学級)を扱う映画は初めて観ました。自閉症の子を演じた加部亜門君の演技は素晴らしかったです。本当に自閉症の子なのかと思いました。自閉症の子と家庭事情に悩む子が平等に描かれている点が非常に良かったです。
迫真の演技で母親が娘を虐待するシーンはリアリティーがあり痛々しくしんどかったですが、このシーンがあるから最後に爆発的な感動が生まれるのです。池脇千鶴の近所のおばちゃん感には笑ってしました。こういう人、確実にいます(笑)
学級崩壊に悩む新任教師、自身も虐待を受けて育ち我が子を虐待してしまう主婦、認知症の兆しがある独居老人と自閉症の子の交流、三つのストーリーラインが直接的には交差せず進むというのは「恋人たち」と同じ構成なのですが、「きみはいい子」の方が社会的なテーマが強くて個人的には好みですね。
印象的なシーンが多く忘れられない名作なので多くの人に観てもらいたいです。
キャロル
ルーニー・マーラがどうしようもなく可愛かったです。あの目力を持つカメラ女子は反則!「ドラゴン・タトゥーの女」と同じ女優と思えません。
もうそれだけで大満足なのに、ケイト・ブランシェットの昔のハリウッドスターのような圧倒的な存在感にとどめを刺されました。「アビエーター」で演じたキャサリン・ヘプバーンのイメージにぴったりの格好良い女性ですよね。
魅力がある人を好きになることは自然なことでたまたまその相手が同姓だったという切り口はすんなりと感情移入できて良かったです。表情にこんなにも説得力を感じる映画にはなかなか出会えません。女性の内面を少しでも理解できたことは今後、人間関係を構築する上でプラスになると思いました。精神年齢が低い自分にとってルーニー・マーラと共に成長していくような感覚がありました。