当てにならない映画メモ

つまらない?見方を変えれば面白い

2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧

素晴らしきかな、人生

主演クラスの演技派俳優が多いので見応えはありました。話はストレートなんですが、抽象的な概念を擬人化してそれを演じるってアイディアはちょっと感情移入しにくかったです。でも、面白いアイディアなので心理学に少し興味が湧きました。 とりあえず映画の…

GONIN サーガ

氷頭を演じるために十年ぶりに復帰した根津甚八の圧倒的な存在感がこの映画を完全に支配していました。主人公の行動の動機になるなどキーポイントになるのは常に氷頭というのが良いですね。話の流れを止めず逆に加速させ更に奇妙な世界観を生み出す効果を持…

ラ・ラ・ランド

このスケールの大きさはなかなか邦画では味わえませんね。スクリーンが大きい映画館で観るのが良いと思います。最初のシーンを何度も観たいと思うはずです。 ミュージカルといってもダンスシーンがそれほど多くなく、脈絡もなく踊りだす気恥ずかしさはあまり…

きみはいい子

特別支援学級(特殊学級)を扱う映画は初めて観ました。自閉症の子を演じた加部亜門君の演技は素晴らしかったです。本当に自閉症の子なのかと思いました。自閉症の子と家庭事情に悩む子が平等に描かれている点が非常に良かったです。 迫真の演技で母親が娘を…

日本で一番悪い奴ら

外国人を相手にスリリングな取り引きができる精神力に驚きましたね。しかも、実話なのでさらに驚き。パキスタンとロシアまで不祥事に関わって来るので、国際的な背景にも注目できる傑作でした。 組織内での出世のために大罪を犯すことに罪悪感を覚えないのは…

愚行録

サスペンスなので内容には触れません。観た後に考察し合える映画なので数人で観るのがいいと思います。「淵に立つ」ほどの衝撃はないものの(洋画サスペンスでは普通にある様な衝撃レベル)じわじわと来る後味の悪さがありました。それにしても予告編で色々…

クリーピー 偽りの隣人

黒沢清監督はヒッチコックのドキュメンタリーに出たくらいのヒッチコックファンなので、何となく「サイコ」の雰囲気に似てました。映画の中間ポイントでいくつかのストーリーラインが交差し始めてラストに向けて速度が上がるのは気持ち良かったです。 起承転…

キャロル

ルーニー・マーラがどうしようもなく可愛かったです。あの目力を持つカメラ女子は反則!「ドラゴン・タトゥーの女」と同じ女優と思えません。 もうそれだけで大満足なのに、ケイト・ブランシェットの昔のハリウッドスターのような圧倒的な存在感にとどめを刺…

マリアンヌ

ロバート・ゼメキス監督といえば「フォレスト・ガンプ」や「ザ・ウォーク」のような畳みかけて来る詩的なナレーションが印象的でそれを楽しみにしていたのにナレーションすらないのは個人的には寂しかったのです。ひねりがないストーリー展開なので、様々な…

ちはやふる 上の句 下の句

ストーリー展開はよくある様な感じですが、映像表現がとにかく格好良い映画でした。二本続けて観れるほどの面白さがありました。 どっかで聞いた声がすると思ったら「君の名は。」の上白石萌音が出てました。三葉の声で上の句を聞くというのも一つの楽しみに…

サバイバルファミリー

矢口史靖監督の新境地と言える見応えのある映画でした。わざとらしい笑いを入れずさりげなく笑わせるのが良いです。音楽がほとんど流れず映像がドキュメンタリータッチというのも良いですね。台詞もシンプルでこれぞ映像芸術というものだよなと改めて思わせ…

「母と暮らせば」と「父と暮らせば」

「母と暮らせば」は、井上ひさしの戯曲「戦後命の三部作」の二部目にあたる映画です。一部目の「父と暮らせば」は黒木和雄監督が原田芳雄と宮沢りえ共演で映画化されています。「母と暮らせば」単品でも楽しめますが、「父と暮らせば」を観ておくと広島と長…

マグニフィセント・セブン

アメリカの現政権への皮肉が強烈な映画でした。 移民排除を突き付けてくる悪の親玉率いる軍隊に黒人とメキシコ人、東洋人、ネイティブアメリカン、戦争で心の傷を負った白人が戦いを挑むのです。悪い白人は全滅して移民たちは平和を取り戻すわけです。「荒野…

アイアムアヒーロー

走るゾンビとショッピングモール、戦う看護師と言ったら「ドーン・オブ・ザ・デッド(リメイク)」です。 「アイアムアヒーロー」は「ドーン・オブ・ザ・デッド(リメイク)」に人間を助ける半ゾンビのような存在が出現する「進撃の巨人」を始めとする少年漫…

終の信託

尊厳死を法的な観点からわりと中立な立場で描いていて学べることは多かったです。尊厳死と安楽死の違いも分かりました。 個人的には、尊厳死のあり方はこれからも揺らぐことなく現行のままであった方がバランスが取れているのではないかという結論に至りまし…

恋人たち

三人の人物のストーリーが同時に進み、最後まで大きく三人が絡むことはないのですが、共通する象徴的なアイテムが場面に表れることで、境遇は違えど心に抱える孤独は本質的には何も変わらないことが伝わってきます。三人の共通点を探すことがなかなか面白い…

虐殺器官

久しぶりにクリーンヒットなハードSFアニメでした。 攻殻機動隊のようなSFとは違い、アンドロイドやサイボーグなどの科学がメインではなく、化学と言語学がメインであるSFはかなり珍しいです。 www.youtube.com ある言葉の並びつまりは文法を繰り返し耳にす…

ブラインド・マッサージ

こんなに精神力を消耗する障害者ものの映画は初めてかもしれません。多くの当事者が全編にわたり俳優として登場する映画はかなり珍しいです。 視覚障害体験というとアイマスクを付けて歩くというのが多いのですが、あれはとても生温い体験なんだなと思いまし…

湯を沸かすほどの熱い愛

宮沢りえ、さすがの演技力という一言に尽きます。 話の内容は感動的で非常に良い映画ですが、緩和ケアをもう少し取り上げて、社会的なテーマを出すともっと作品に深みが出てきたのかなと思います。ライトなストーリーなので、幅広い年齢層が楽しめる映画だと…

アリスのままで

若年性アルツハイマーを患った言語学者をジュリアン・ムーアが見事に演じています。 中盤の自虐ネタを交えたスピーチが知的でとても"粋"に感じました。終盤、本人の苦悩にいたたまれなくなり観ているのがつらいシーンもありましたが、家族の連帯感に熱いもの…

あん

莫大な借金返済のために不自由な生活を送る青年と家庭事情のために高校進学を諦めている少女が、ある病気のために長年、社会から隔離されてきた老婆と触れ合うことで、生きる希望を見つけていく話です。 www.youtube.com 病気の知識が乏しいと差別が生まれる…

希望の国

原子力を描いた「生きものの記録」「ゴジラ」に肩を並べる名作です。 3.11から数年が経ち原発が再稼働したとある県で再び、震災が起き原発の爆発事故が発生するという話です。そういう設定にすることで、福島の原発事故がたった数年で過去のものになっている…