当てにならない映画メモ

つまらない?見方を変えれば面白い

アメリカン・ビューティー

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「この国は地獄行きだ」という台詞、当時は笑えたのですが、今観ると今のアメリカを予言しているようで恐怖すら感じます。9.11、戦争、リーマンショックを通過した中で、この映画の象徴である宙を舞うビニール袋は、今、暴風雨の真っ只中にあると思います。救いようのない話であったはずのこの映画もまだ希望があるように思えました。

この映画は白人社会の内面の問題にしか焦点が当たっていない上に、非白人が数秒しか映らないのにも関わらず、アカデミー賞を獲れたというのも9.11以降では有り得なかった思います。今なら黒人達の猛烈な講義を受けることでしょう。

クラッシュ、ディパーデッド、ノーカントリー、スラムドッグ$ミリオネア、それでも夜は明けるを見れば分かる通り、人種や国際問題を取り上げないとなかなかアカデミー賞を獲れない傾向になりました。

9.11前後の受賞傾向の違いを知れる映画として観て損はないです。好き嫌いははっきり分かれるので一人で観た方が良いかと。