この世界の片隅に
戦争映画なのに観た後の爽快感がある心地の良い映画でした。
戦勝国であるアメリカの視点から描かれているので内容的には全く違いますが、スピルバーグの「太陽の帝国」に匹敵する爽快感でしたね。
日常生活をきっちり描いているし、すずさんの天然っぷりもあり、戦争の恐ろしさがより一層引き立ってました。わざとらしく反戦を掲げるような演出はないものの、これを観て戦争をしたいとは思えないとより深く考えられました。
ただコミカルな部分と悲惨な部分が入り交じり、ここで笑うと不謹慎なのか?と戸惑うシーンがあったり、また、ところどころに原爆の後遺症や慰安婦などのナイーブな問題もあったりしますが、余計なセリフもなく戦時中の予備知識がないと意味不明なシーンはいくつかありました。戦争を一から考え直すいいきっかけになります。
能年玲奈の声がここまではまるとは驚きました。芸能活動で本名を使えなくなり「のん」と改名する意味の分からない騒動に巻き込まれながらも、いい仕事したなと思いました。サマーウォーズと君の名は。の神木隆之介と共に、声優に転向したりして。